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1.奥方・比叡


明け方の4時過ぎ。
どうやって時間を判断しているのか、一家の台所を支える比叡はひっそりと起き出した。
同じ寝台で寝ている夫の顔を覗き込めば、自分しか知らない普段よりも幼げな寝顔で平和そうに寝息を立てている。

寝室から襖で続いている隣の自室に音もなく滑り込むとそっと襖を閉じた。
寝巻きに使っている浴衣は昨日出したばかりのものだから、と衣紋掛けにかかっている藤色の着物を降ろして変わりに掛けた。
着物を着る人なんてほとんど居ないこのご時勢。
いたとしてもファッション程度で、帯も正直言ってきちんと自分で結べる人がどれほどいるだろうか。

しかし彼女は手馴れた手つきで長襦袢、着物、帯を着付けていった。
最後に帯締めを絞めて鏡台の前に立つと確認するように一周する。
少しばかり納得がいかなかったのか帯びの形を整えなおすと、今度こそ満足したように小さく頷いて鏡台の前に座り櫛を手に取る。
背中の中ほどまでに伸びている黒髪は毎日きちんと結われているせいかやや癖がついていた。

何時ものように簪と櫛を手に取り手早く纏め上げると重苦しい髪はさっぱりと結い上げられている。
ただし、右頬から右目だけは伸ばされた前髪で覆われたまま。

わざわざ上げて見せる顔でもないからと、彼女は前髪をやや垂らしたまま鏡台の前を離れると台所へと足を向けた。

今日の朝食はなんにしようか、と頭の中に思い浮かべる。
理想としてはご飯にお味噌汁、焼き魚に卵焼きと純和風の朝ご飯。

けれど、今日は珍しく昨日の残り物のポテトサラダがある。
和食とポテトサラダも悪くないけれど、やはりここはトーストとベーコンエッグ、それにスープのほうがいいかしら、なんて思い浮かべながらリビングに明かりを灯すのだった。






**アトガキ**

あとがきと本編の位置を入れ替えるべきだったと今更思いました。
あとがきを書くのは初めてです。
こんな感じで家族の朝を書いてみたいと思います。
とってもSSS(Super short story)www
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