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× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 2.次男・マリオン 朝の6時。 掛けていた目覚ましの音を聞いてマリオンはパチンッと目覚ましのボタンを叩く。 あまり長く掛けていると、つい先日帰ってきたばかりの姉が・・・まぁ、不機嫌になってしまうからだ。 そっと耳を済ませるが両隣の部屋の兄弟も、姉も起きていないらしい。 とりあえず右隣の部屋の兄はまず震度5の地震でも起きないだろう・・・。 今日の予定は、とダイアリーをひろげているマリオンは紛れもなく小学6年生。 けれど小学生とは言えど暇を持て余しているわけではない。 遊びにだって一生懸命な年頃なのだ。 「今日は・・・何にもなしか。」 マリオンの通う小学校は「生徒の自主性を尊重するため」だとかどーたらこーたらで、月々のイベントやそのほかの学校行事、その他の雑用一切合切を生徒に任せてしまっているのだ。 そしてマリオンは生徒会長・・・忙しくなるのは当たり前。 オマケに何故だか出会って5分で友達?みたいな雰囲気を作るのが上手いせいか、その上運動神経もそこそこのためか、色んなクラブから「試合があるから助っ人に来い」・「メンバー足りないからよろしく!」と日々引っ張り蛸な人生。 (そして少年は学生生活がなくなるまで、ずっとこんな生活なのだということをまだ知らない) まぁ、そんな現状を楽しめるマリオンでなかったらまず誰もそんな頼みごとをしないだろう。 桃色のカッターシャツにベージュのセーターを合わせて、ギリギリ短パンといえるようなズボンを穿く。 元々姉のものだったその服は、姉が着古し、兄が着古し、自分に回ってきたお下がり。 けれど物を乱雑に扱わない二人だからか、それらはまるでつい最近買ったもののように綺麗なままだ。 そして、やっぱり元は姉の持ちものだった等身大の鏡の前に立って身だしなみをチェックする。 断っておくがマリオンはナルシストではない。 鏡の中の自分を見て溜息を零すような危ない子供ではない。 長年の経験で、自分の夢を語ると他人に笑われると学んだ彼はいまやその夢を口にすることはないが、目指しているのは「白馬に乗った王子様」という、なんともメルヘン(げふんっ、ごふんっ)いやはや、高すぎる崖の上にある花を摘むような夢を目指している。 むしろエベレストの頂上といったほうがいいだろうか。 マリオンの中の理想の王子様像と言うのは何事においても完璧で、もちろん身だしなみを初めとする外見も、スポーツも、勉強も、何でもござれという「こんな奴本当にいるのかよ、と問い返したくなるような人間だ。 本人は癪に思っているが、かなり・・・いや反りがまったく合わない父に似たために外見はまず問題ないとわかっている。 多分こんな事をいったら全国の男子諸君に殺されるだろうけれど・・・。 そして物分りのよさも、たいていの子どもが嫌う理科や算数といった勉強もそつなく要領よくこなせるのは恐らく父親に似たからだと言うのを本人は一番よく知っていた。 多分父も、若い頃はかなりもてたのだろう。 生憎スポーツは万能ではないようだが・・・。 だがマリオンの目指す王子様と決定的に違うのはあの「性格」だ。 ああはなるまい、とマリオンは心のうちに決心を固める。 「っと、そろそろ下に降りなきゃ。」 目に映った机の上の時計が指し示す針は6時45分。 やや自問自答の時間が長かったようで、マリオンはカバンをつかむとリズムよく階段を駆け下りていった。 **アトガキ** 次男のマリオンでした。 もともとの名前はユート。 友人とのコラボ設定でもあったので、と言ってもファミリーの中ではこの子だけがその友人のキャラですが。 ちなみにマリオンはもともと私のオリジナル「淑女紳士」という短編のキャラでした。 PR ![]() ![]() |
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羽白ウサギ
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非公開
自己紹介:
管理人の詳しい取り説はmixiにて(笑)
壊れやすいナマモノですので、説明書をちゃんと読んで楽しく遊んでね<(どうやって遊ぶんだ)
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