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オリジナル小説でNL・BLなんでもありのサイトです。
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【世界観】
基本的に超能力、魔法なんでもありの無茶苦茶な世界です。
魔法とは無縁の地球がある世界ガイアと、魔法や異能力が発達した地球のある世界ファンタジア。
地球とはいうものの天体として同じと言うだけで、地理的にも文化的にも全く異なる発展を遂げた世界が繋がり、行き来と言うほどの交流はないもののその存在を知る者はいる。

そんな世界なのですが、今の所物語中にそういった表現が出ていないので、まだこのあたりの詳しい設定は伏せておこうかと思います。
ファンタジアの世界観に関しては子供世代での話で詳しく書こうと思います。


【能力説明】

黒羽:魔術師
もともと魔術師である黒羽は当然のようにファンタジア生まれの人間。
ファンタジアに飽きガイアへと来て比叡と出会った。
強い魔力を持つ黒羽、本名クローバーはその世界にその人ありとされるほどの有名人。
もちろん魔術師としてもだが、その癖のある難アリな性格の方で有名である。

比叡:パイロキネシス
もちろん生まれつきのものではなく、後天性の超能力者と呼ばれる人間。
能力を入れた過程に関してはネタばれとなるので後日追記予定。
パイロキネシスとは炎を操ることのできる能力者。
空気中の酸素濃度を操り、炎を生み出すこともできる。

ルシエル:ヒュプノ
催眠能力。
声を媒体として、人の感情をコントロールできる。
もちろん普段はそんなことにならないように能力を押さえ、自らの唄に感情を込める程度にしている。
ちなみに、説明の少なさは登場回数が少ないためでもあるww

ユージン:ESP複合能力者
一般的に知られるサイコキネシス、テレパシー、テレポートなど様々な能力を所持している。
ちなみに、普段ボケボケしているのは多種多様な能力を保持し、それらを維持するために精神力を使っているためである。
でも本来の性格でもある。

マリオン:魔術師
家族の中では最も能力が弱く、そういった面においては比叡に一番似た息子である。
ほうきで空を飛ぶだとか、占いだとかそういった初歩的な能力を備えてはいるが自覚は遅く、15歳にファンタジアでの成人の儀を受けるまで気付くことはなかった。

シギ・トキ:魔術師
能力が弱いわけではないが、突出しているわけではなく、主に魔法薬や錬金術など開発の方面に興味を持っているため、魔力が暴走しないように制御用のアクセサリーで魔力を抑えて普段は過ごしている。


++++++++++

アンバー:獣化能力
もともと、曾祖父である人物がファンタジアの生まれであり、獣人一族の末裔である。
先天性の能力者であるが、隔世遺伝でありそのことを教えられる前に曾祖父がなくなっていたため自分の能力については何も知らずに育った。

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6.旦那・黒羽

昨日ベッドに入ったのが遅かったためか、いや・・・むしろベッドに入ったのは今朝だった。
とにかく、枕もとの時計を引き寄せて鼻が文字盤に付きそうなほどに顔を近づける。
ソレでも尚眼を細めて時間を読み取ろうとしているが、そんなことをするよりも眼鏡を掛けたほうが早いだろう。

「10時・・・ですか。」

寝起きでなくとも鋭い顔つきは、よりよくものを見ようと眉を潜めたために益々悪くなっている。
恐らく比叡と隣り合って歩けば誘拐犯に見られるかもしれない。
いや、実際過去に職務質問を受けたことがあるのだ。
元が美形なだけに仏頂面になると怖さが割り増しだ。
黒羽はようやく時計をヘッドボードに戻すと眼鏡をかけ、腰ほどまでに伸ばしている髪を縛った。

笑えるエピソードではあるが、この男が無精に髪を伸ばしているのも、まだ若かった頃に比叡に「短いのよりもにおてます」と言った一言が切欠だ。
ユージンも黒羽も単純といえば単純である。
この男の場合はソレがのろけにはや代わりするからたちが悪いのだが。

愛用の白衣をガウン代わりに手にとってはおると彼はそのままリビングへと足を向けた。
多分この時間なら比叡が洗濯物でも畳んでいるだろうと思っての行動だったが、リビングの扉を開いた彼は不在が多い長女と長男を見つけて唇の端を吊り上げた。

「おはよう、二人がいるとなんだか新鮮ですねぇ。」

「あら、パパ久しぶりね。」

朝の不機嫌はどこへ行ったのか、すっかり普段どおりのルシエルはパタパタとスリッパの音と共に黒羽の元へと駆け寄ると首に抱きついた。
小さい頃は足か腰だったのに、と感慨にふけると共に「年をとったなぁ」とつくづく実感させられる。

「・・・僕も、それをするべきですか・・・?」

年頃の男の子としてはやや恥ずかしいものがあるだろう。
何よりユージンはもう黒羽と同じくらい身長があるのだ、いやもしかすると追い越しているかもしれない。

「さぁねぇ、君の好きにしなさい。」

息子の戸惑いを見て黒羽はくすくすと笑って肩を揺らす。
結局姉の真似をしてユージンも抱きついては見たが、予想外に父親との顔の距離が近くてすぐに離れてしまった。

「おはようございます、比叡さん」

「おはようございます。なんかお腹に入れはります?」

「大丈夫ですよ、お昼までそう時間は空いていませんから。」

朝の挨拶と称して頬にキスを交わすのは恐らく近隣一体で我が家だけだろう、と娘息子は理解していた。
何せ学校に行ったばかりの頃に先生に友人におはようのキスをしてしまって大騒ぎになったのだから。
現在末っ子のトキとシギは長女のルシエルと13歳も離れている。
この分だと、いつか自分の子供といっても可笑しくはない妹か弟が出来ても不思議じゃないなと彼女はなんとなく思った。

「せや、黒羽はんお昼は何がよろしい?」

「そうですねえ・・・。久しぶりですし4人でどこかに行きましょうか」

「あら、ええねぇ。4人やなんて滅多に行けませんし。」

「次はユージンが酒を飲めるようになる頃でしょうね。」

いつまで経っても若い二人だと姉弟は揃って溜息を零す。
とりあえず、久方振りの4人での外食は決定したらしい、呼ばれるまでは夫婦水入らずでそっとしておいてやろうと、二人は何も言わずに頷きあうとそっとリビングを後にした。

それを知ってかしらずか、黒羽は比叡の隣に座るとなんでもないようなことを談笑しながら洗濯物を畳み始めるのだった。



Fin...



5.長女・ルシエル(ルシア)


いまや超売れっ子シンガーとも言える女性の寝起きにしては、些か寝汚いのではないだろうかと言ういでたちでルシエルは階下へと降りてきた。
その目の下には隈があり、まさしく「疲れています」と言葉にしなくとも顔を見るだけで伝わってくる。

「ぁれ・・・ユージン?」

「・・・おはよう、姉さん」

寝起きの彼自身が疑問に思ったことを、ルシエルも当然のように疑問に思ったが生憎彼女はその理由に思いつけそうにはなかった。

「まぁ、いいわ・・・おはよう、ユージン」

「おはよう、姉さん。牛乳?」

「ううん、冷たい水がいい。」

わかった、と声なく頷いてユージンはちらりとキッチンのほうに見える冷蔵庫を見た。
パタン、と一人でに冷蔵庫が開いてよく冷えたミネラルウォーターのペットボトルが出てくる。
そのまま今度は食器棚へ向かうとコップがふよ、と浮いた。
ペットボトルは誰の手も借りず一人で、この場合ペットボトルを一人と称するかどうかは別にしても、とりあえず一人でコップに水を注ぐと、また大人しく冷蔵庫に帰り、コップだけが宙を漂ってルシエルの目の前へと下りてきた。

「私もそっちの方がよかった。」

「そう?立つ面倒は要らないけど、集中力が要るよ?」

「私のは自分の役に立たないもの・・・。こんな日は特にそう思う・・・。」

ルシエルは頭を押さえながら水を飲んだ。
ルシエルの能力であるヒュプノは、いわゆる催眠術と言う奴でルシエルが売れっ子のシンガーになった理由の一つでもある。
もちろん観客を操っているわけではない。
シンガーとなったのは彼女の実力だ。

意識せずともルシエルの声にはルシエルの感情が反映される。
ルシエルが気持ちよく歌えば、観客も気持ちよく聞こえるし、ルシエルがこんな二日酔いで最悪の気分の日に歌えば観客にもその気持ちが伝わってしまう。
ようはルシエルの感情を誇大表現して伝える手段の一つになっているわけだ。

そして、彼女が今日まで響くような二日酔いになった原因は、昨夜行われた「コンサートツアー終了オメデトウ」とかなんとやらの打ち上げパーティだ。
飲んでいる最中はいいのだが、あんまりにもほろ酔いで気持ちがよくなると、寝る前に頭痛薬を飲み忘れる。頭痛薬を飲み忘れるととてつもない二日酔いに見舞われることになる。

で、昨夜のルシエルは頭痛薬を飲み忘れたわけだ。

「ユウちゃん。頭いたい」

「痛いですか」

「うん」

「・・・」

「ユウちゃん冷たい・・・」

「と、言われても・・・」

トーストを齧りながらユージンは困ったように首をかしげた。

「・・・ユウちゃんってば、お姉さんが苦しんでるのに、それだけ・・・?」

キロリとユージンを見るルシエルの眼差しが鋭くなった。
まずいかな、とユージンは冷や汗を流す。

ルシエルは何故だか生まれつきの二重人格と言う厄介な性癖(?)の持ち主だ。
普段のルシエルはとことん優しいが、一度キれるととことん野蛮になる。
母は強し、とはよく言ったもので裏ルシエル・本人曰くルシアも比叡には逆らわない。
逆らわないが、今その比叡は2階で洗濯物を干している・・・。

「それだけしか言えないわけ・・・?へぇ、そう・・・ふうん・・・そう」

ルシエルがテーブルに置いている手の爪が絵本に出て来る魔女のように伸びて黒く染まる。

「・・・」

完全にルシアが出てくるとなればユージンではまったく手に終えないのだ。
どうしたものか、と悩んで彼はそっと姉の頭の上に手を置いた。

「・・・なによ・・・」

「小さい頃、姉さんがよくこうしてたから」

「・・・」

すーっとルシエルの眼がまた普段のように穏やかになり、爪も元通りになっていく。

「・・・だからユウちゃんってスケこましなのよ。」

「?よく判らないですが、水のお代わりは・・・?」

「・・・いる。」

あんなに可愛かった弟は何処に行ってしまったんだろう、とルシエルは悩みながら再びペットボトルを空中浮遊させているユージンの顔を見つめていた。




4.長男・ユージン

ゴトンっと勢いよく後頭部から墜落してユージンはようやく目を覚ました。
どうすれば、そうまで見事に落ちることが出来るのか自分でも未だに理解できないと寝ぼけた頭で考えながら、ベッドに残されたままだった脚を下ろして立ち上がる。
時計を見れば8時過ぎ。

そういえば何故家にいるんだろう、と少し悩んでみた。
だが元来無表情の彼が少しばかり目を細めたところで、不機嫌なのか何なのか他人にはいまいちわかってもらえない。

因みにユージンは中学の頃から全寮制の学校に通っている。
そして今日は平日のはずだからユージンは寮の自室で目を覚ますはずなのだ。
首をかしげて首をかしげて・・・。

10分もした頃にようやく「そういえば、ナントカ記念日で帰省したんだった」と言うことを思い出した。
そのナントカ記念日の「ナントカ」の部分は思い出せそうにないがそれはいいだろう。
当のナントカ記念日は月曜日だから、月曜日までは自宅でのんびりと過ごせる。
もう一度布団にもぐりこもうかと少し悩んで、鼻をくすぐる朝食のにおいに誘われるようにして着替え始めた。

学校で何度か好みのタイプを聞かれて、その度に女生徒に逃げられる彼だが未だにその理由を自覚していない。
いわゆるトウヘンボクなユージンだから無理もないだろう。

「好きなタイプってどんな子ですか?」

と聞かれて、「母さんみたいに料理の上手な子」と答える彼なのだから・・・。
オマケに悪気はない。
悪気はない上に極度のマザコンでもないが、こんな返答を返されれば女生徒の脳内でのランク付けは
「1.母親 2.恋人」と言うことになってしまう。

結婚するわけでもないのに嫁姑関係を築きかねないユージンに告白する勇気を持つ女生徒は数少なかった。
だがユージンは深く考えてそんな答えを返したわけではない。
ただ単に好きなタイプはと聞かれれば「料理の上手な子」であって、好きな味付けはと聞かれれば「母さんの味付け」なだけなのだから・・・。

制服を着る必要もなく、ラフな格好に着替えると膝の後ほどまで伸びている髪をひとまとめにして階下へと降りて行った。
因みにこの髪型もファッションではない。
単に彼の友人が「髪が長いほうが似合っている」と言ったのと、ユージン自身髪を切りに行くのが面倒だったからだ。

また、彼の友人も本気で「似合う」といったわけではない。
いくら長髪が似合うからといって膝裏まで伸ばすのはあまりにも長すぎると言うものだ。
ただユージンが鬱陶しくなれば髪形も考えずに縛った髪の毛を鋏で「ジョキンッ」と切りかねないから告げた言葉だった。

そして当然の事だがユージンが階下へ降りる頃、3人の弟達は学校へといってしまっていた。



3.末っ子コンビ・シギ&トキ

隣にあるマリオンの部屋とは真逆で散らかり放題の部屋の中。
ベッドはなく変わりに天井からは2つのハンモックが吊るされていた。
もちろんネットではなく布製のハンモックだが、そもそも自分の寝台にハンモックを使う人がこの日本に一体何人いるだろうか。

隣の部屋から響いた目覚ましの音でやや目を覚ましていたらしい二人は、ソレでも眠気に勝てないままゆらゆらとハンモックで揺られている。
そうこうしているうちに部屋の隅にある二人の机に置かれたパソコンに自動で電源が入った。

『オハヨウゴザイマス マスター。 オ目覚メ ノ 時間デス。』

目覚まし代わりになっているらしいパソコンはひたすらその言葉を繰り返すが二人はむずがって起きようとはしない。
低血圧ではないが、小学3年生の癖に二人は夜更かしが響いているのだ。
床に散乱しているのは小学生のおもちゃらしからぬ、ペンチやボルト、プラスマイナスドライバーにネジやこんなものを本当に小学生が理解できているのかと思うほどの工具の山だ。

「ときぃ・・・アレ、うるさい」

「・・・シギがやったんでしょ・・・とめてよぅ」

もぞもぞと寝返りを打つと、これまた黒髪の夫婦から産まれたとは到底思えない鮮やかなシルバーのショートヘアーが揃って布団からはみ出た。
長女と長男までは、祖父からの隔世遺伝だが二人はもちろん違う。
これもマリオンが学校で苦労する原因の一つなのだが、二人は「面白いでしょ?」の一言で髪を何度も染めたり、カラーコンタクトを入れたりと、定期的に『模様替え』をしているのだ。

小学生の頃からそんなことをしていたら髪が痛むだろう・・・?

ソレがこの二人の凄いところ。
なにをどうやったのか、小学2年生の夏休みの自由研究で編み出したのは、髪を傷めないカラースプレーとブリーチ。
ぶっちゃけそんなものがあれば私がほしい。

と、そんな脱線した事は追いとくとしても、この二人は科学者の父親に似たのかかなりの勢いで「アリエナイ」物を沢山作り出している。
ソレもこれも小さい頃に、いや今もビデオで繰り返し見ている『ドラ○もん』のせいだろうか。
もちろん二人の同級生でも『ドラ○もん』を見ている生徒は多いが、二人に言わせれば『ドラ○もん』みたいに自在に走って動けるロボットを生み出せるなら天才以外にありえない、とのことらしい。
そしてその天才になりたいらしい二人は、こうして部屋中に機械工具を広げてドラ○もんのビデオを見ながらその道具を参考にいろいろなものを作っているらしい。

と・・・いい加減五月蝿くなってきたのか二人は同時にハンモックから降りるとパソコンを止め、動き回れる程度に部屋の中のガラクタ、もとい工具や材料を隅に固めた。

「あ、いい匂いがする。」

「ホントだ、今日はトーストかな?」

パジャマを脱ぎ捨てながら二人は色違いの服を着込んだ。
小さい頃はこうして服のデザインが被るとわざわざ違う服に着替えなおしていたものだが今となってはむしろ色違いのものを着たりしていないと落ち着かないもので、自然と同じデザインを手に取るようになってしまった。

「あ、あれだ・・・昨日のポテトサラダだ。残ってんだよまだ。」

「あと、前に買ってきたベーコンもそろそろ賞味期限切れるんじゃないかな」

二人は冗談のようにイニシャルの『T』と『S』が刺繍されたトレーナーを切ると軽快な足音を立てて部屋を飛び出していった。




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